
「自律神経が乱れている」という言葉を、テレビやインターネットなどで見聞きすることがあります。では、自律神経とは、実際にはどのようなものなのでしょうか。
自律神経は神経系の一部で、心拍や消化、発汗など、主に意識だけでは自由に動かせない身体機能の調節に関わっています。交感神経と副交感神経がありますが、どちらか一方が良い、悪いというものではありません。
この記事では、自律神経の基本的な働きと、交感神経・副交感神経の違い、「自律神経が乱れている」という言葉を考える際の注意点を、一般の方向けに整理します。
自律神経とは
私たちの身体では、眠っている間も心臓が動き、呼吸や消化などが続いています。気温や活動状況が変われば、発汗や血圧などもその時々の状態に応じて調節されます。
自律神経は、こうした身体の内側の働きを調節する仕組みの一つです。交感神経と副交感神経を中心に、脳や脊髄、さまざまな器官と関わりながら働いています。
ただし、心拍や血圧、消化、体温などを自律神経だけが動かしているわけではありません。ホルモンをはじめとするほかの仕組みも関わり、身体全体で調節されています。
自律神経が関わる身体の働き
自律神経は、主に次のような働きの調節に関わります。
- 心拍や血圧
- 消化管の動きや消化液の分泌
- 瞳孔の大きさ
- 発汗や体温調節
これらは多くの場合、意識して一つずつ指示しなくても続いています。
交感神経と副交感神経
自律神経について説明するとき、よく「活動」と「休息」という言葉が使われます。身体の働きを理解する入口としては便利ですが、実際の働きはそれだけで分けられるほど単純ではありません。
交感神経の役割
交感神経は、身体を動かしているときや、周囲の変化へ対応するときなどに働きます。たとえば、心拍を速める、瞳孔を広げる、発汗を促す、消化管の動きを抑えるといった調節に関わります。
緊張しているときだけに働く神経ではなく、身体の状態を保つために日常的に必要な仕組みです。そのため、交感神経が働くこと自体を悪い状態と考えることはできません。
副交感神経の役割
副交感神経は、安静にしているときや食事をした後などの身体の働きに関わります。心拍をゆるやかにする、消化管の動きや分泌を促すといった調節が代表例です。
副交感神経も身体に必要な仕組みですが、強く働かせればよいというものではありません。身体の状況に応じた働きが必要です。
どちらか一方が良い・悪いわけではない
交感神経と副交感神経は、同じ器官に対して異なる方向へ働くことがありますが、いつも完全に反対の働きをするわけではありません。それぞれが単独で働く部分や、補い合う部分もあります。
また、「昼は交感神経、夜は副交感神経」と明確に切り替わるわけでもありません。昼間に休息する場面もあれば、眠っている間にも身体の状態に応じた調節が続いています。二つの神経は、その時々の活動、休息、身体の状況に合わせて働いています。
「自律神経が乱れている」という言葉をどう考えるか
「自律神経の乱れ」は、疲れや睡眠の悩みなど、さまざまな不調を説明するときに広く使われています。ただし、何らかの症状があることと、自律神経の状態が確認されたことは同じではありません。
似たような不調でも、関係する要因や必要な対応は人によって異なります。インターネット上の情報や症状の印象だけで、「自律神経が原因」と決めつけることはできません。不調が続く場合や日常生活に影響している場合は、必要に応じて医療機関へ相談してください。
症状がある場合の相談先や、医療機関への相談を考える目安についてはこちら
身体の調子を支える一般的な健康習慣
睡眠と休息を確保すること、生活リズムを大きく乱さないこと、体調に合った範囲で身体を動かすことは、一般的な健康管理の一部です。
これらは「自律神経を整える方法」や治療ではありません。体調に合わせて無理なく続けることを基本とし、症状が続く場合は生活習慣だけで様子を見続けないようにしてください。
当院でできること・できないこと
こりほぐし・整体 IKOI-憩-は、自律神経の状態や病気を診断する場所ではありません。また、当院では「自律神経を整えること」自体を施術の目的にはしていません。
当院では、お話を伺い、姿勢や動き、その日の状態、安全面を確認します。そのうえで、施術への反応を見ながら、内容や優先順位を調整します。
症状の内容や経過によっては、整体より医療機関への相談を優先していただく場合があります。
まとめ
自律神経は神経系の一部で、心拍、血圧、消化、発汗、体温調節など、さまざまな身体機能の調節に関わっています。交感神経と副交感神経は、どちらも身体に必要な仕組みです。
自律神経について知ることは、身体の働きを理解する助けになります。一方で、症状だけから自律神経の状態や原因を判断することはできません。体調について気になることが続く場合は、必要な相談先を選ぶことも大切です。
この記事を書く際に参考にした情報
- 厚生労働省「人体各器官図 自律神経」
- MSDマニュアル プロフェッショナル版「自律神経系の概要」
- IQWiG/NCBI Bookshelf「How does the nervous system work?」
確認日:2026-09-03





