
「肩こりがひどくてマッサージしてもすぐ戻る」
「背中が丸まって猫背が気になる」
——そんな方は、もしかすると**肩甲骨が外に広がっている(外転)**状態かもしれません。
肩甲骨が背中の外側にズレると、背中の筋肉バランスが崩れ、
肩や首のこり、姿勢の崩れ、呼吸の浅さなどにつながります。
この記事では、肩甲骨外転の特徴と改善のヒントを、整体の現場からわかりやすくお伝えします。
肩甲骨の“外転”とは?
肩甲骨は、背中の上でスライドするように動く骨です。
「外転」とは、肩甲骨が背骨(棘突起)から離れて外側に広がった状態のこと。
📍 正常:左右の肩甲骨が背骨から約6cmの距離
📍 外転:7〜10cm以上に広がり、背中が丸く見える
外転の状態になると、肩が前に出て巻き肩・猫背になりやすくなります。
肩甲骨が外に広がる原因
デスクワーク・スマホ姿勢
長時間の前かがみ姿勢は、腕を前に出したままの状態。
これにより胸の筋肉(大胸筋)が縮み、肩甲骨が外へ引っ張られます。
呼吸が浅い
猫背姿勢になると肋骨が動きにくく、呼吸が浅くなります。
呼吸の回数が増え、胸郭の前側ばかり使うことで外転が固定化されやすくなります。
運動不足・背中の筋力低下
肩甲骨を内側に寄せる筋肉(菱形筋・僧帽筋中部)が弱くなると、外転を戻せなくなります。
肩甲骨外転による不調
慢性的な肩こり・首こり
背中の張りや呼吸の浅さ
姿勢の崩れ(猫背・巻き肩)
腕のだるさ・挙上制限
さらに放っておくと、**肩のインピンジメント(挟み込み)**や、胸郭出口症候群などの不調にもつながることがあります。
自宅でできるチェック方法
壁に背をつけて立つ
後頭部・肩甲骨・お尻の3点を壁につける
肩甲骨が壁から浮いていないか確認
✅ 両肩が壁から離れるようなら外転傾向
✅ 肩が前にねじれている、手の甲が前を向く → 巻き肩タイプ
改善のポイントと簡単ストレッチ
① 胸の筋肉(大胸筋)をゆるめる
壁に手を当てて、体をゆっくり反らすように胸を開く。
→ 1回20秒×3セット
② 肩甲骨を寄せる運動
両肘を軽く曲げて背中の真ん中で肩甲骨を寄せる。
→ 5秒キープ×10回
③ デスク環境を見直す
モニターを目の高さにする、肘を支える、スマホを目線の高さで操作する。
【まとめ】
肩甲骨が外に広がる「外転」は、見た目以上に体への影響が大きい姿勢です。
肩や首のこりだけでなく、呼吸や疲労感にも関係しています。
まずは胸を開き、肩甲骨を寄せる習慣をつけることが改善の第一歩。
無理せず、少しずつ正しい位置に戻していきましょう。



















