整体で強く押せば良くなる? 当院が強圧をすすめない理由

整体で強く押せば良くなる? 当院が強圧をすすめない理由

「もっと強く押してほしい」
施術をしていると、こうしたご希望をいただくことがあります。

たしかに、強く押されると「しっかりやってもらった感じ」が出やすく、その場の満足感も得やすいです。
実際に、強めの刺激が好きな方もいらっしゃいます。

ですが私は、必要以上に強い圧で押すことが、必ずしも身体にとって良いとは考えていません。

もちろん、弱ければ良いという意味でもありません。
大切なのは、その方の身体にとって適切な刺激になっているかどうかです。

今回は、当院が強圧をおすすめしない理由についてお話しします。

強い施術は満足感が出やすいが、改善とは別です

強い施術を求める方には、いくつか理由があると思います。

たとえば、

  • 強い方が効いた気がする
  • しっかりやってもらった満足感がある
  • 一回で何とかしてほしい
  • 今まで強めの施術を受けてきて慣れている
  • 慢性的につらく、弱い刺激では物足りなく感じる

こうした感覚は自然なものです。
私も、その気持ち自体を否定したいわけではありません。

ただ、ここで大切なのは、満足感と改善は同じではないということです。

その場では「効いた気がする」「楽になった感じがする」と思っても、身体の状態そのものが整っていなければ、すぐに戻ってしまうことがあります。

つまり、
強く押されたことによる満足感と、
身体が本当に良い方向へ変わっていることは、別に考える必要があるのです。

当院が考える「適切な圧」とは

当院では、ただ弱いだけの施術をしているわけではありません。
必要な刺激は入れます。
ただし、それは身体が受け入れられる範囲であることが大切だと考えています。

私が考える適切な圧の目安は、次のようなものです。

  • 呼吸が止まらない
  • 身体に余計な力が入らない
  • 我慢しないと受けられない強さではない
  • 防御的に力まない
  • 施術後に強く悪化しない
  • 強い揉み返しや日常生活に支障が出る状態を起こさない

施術の強さを1~5段階で考えると、私は3~4程度を使うことが多いです。
5のような限界に近い強さは、呼吸が止まりやすく、力みやすくなり、お客様と施術者の我慢比べのようになってしまうため、ほとんど使いません。

施術は我慢比べではありません。
強さを競うものでもありません。
身体が良い方向へ変わるための刺激になっているかどうかが大切だと考えています。

つらい場所を強く押せばいい、とは限りません

ここはとても大切なところです。

身体は、つらい場所だけを見ればいいほど単純ではありません。
実際には、

  • つらいと感じている場所
  • 押して痛い場所
  • 本当に負担の原因になっている場所

これらが一致しないことが少なくありません。

たとえば肩こりでも、肩や背中だけを強く押せば良いとは限りません。
肩甲骨の位置、胸まわりの硬さ、体幹の状態、普段の身体の使い方、さらに下半身の影響が関わっていることもあります。

そのため、つらい場所は「結果として負担を受けている場所」であって、そこだけを繰り返し強く押しても、根本的には変わりにくいことがあります。

当院で姿勢分析や動作分析を重視しているのは、そのためです。
「どこがつらいか」だけでなく、
なぜそこに負担が集まっているのか
を見ないと、戻りやすい施術になってしまうからです。

強圧によって起こりうる負担もあります

必要以上の強い圧は、身体にとって負担になることがあります。

たとえば、

  • 施術後の強いだるさ
  • 痛みの悪化
  • 強い揉み返し
  • あざ
  • 皮膚への負担

このようなことが起こる場合があります。

もちろん、すべての強い施術で問題が起こるわけではありません。
ですが、強ければ強いほど良いとは言えません。

せっかく良くなりたいと思って来てくださったのに、施術によってあざができたり、動けないほどつらくなったりするなら、それは私は良い施術だと思いません。

私は、来てくださったお客様の身体を守ることも、施術者として大切な責任だと考えています。

強圧をおすすめしないのは、押したくないからではありません

ここは誤解されたくない部分です。

私が強圧をおすすめしないのは、
強く押したくないからではありません。

お客様の身体を守るためです。

ご希望に合わせて強く押すことは、一見すると親切に見えるかもしれません。
ですが、それが身体にとって不利益になると考えるなら、安易に応じることの方が無責任だと私は考えています。

以前の私は、つらい場所を何とかしてあげたいという気持ちや、お客様のご希望に応えたい気持ちが強く、強めの刺激に寄ってしまったことがありました。
ですが、その経験の中で、強く押すことが必ずしも良い結果につながらないこと、そして要望に応えることと、お客様の身体にとって良いことは同じではないことを痛感しました。

それ以来私は、
強さで納得してもらうことよりも、
しっかり考えて、より良い方向へ導くことを大切にしています。

そのために必要なのは、強圧や派手なテクニックではなく、
解剖学、生理学、姿勢、動作、身体のつながりを理解しながら施術を組み立てることだと考えています。

「強く押してほしい」が第一希望の方とは方針が合わないことがあります

以前は電話で、
「強く押してもらえますか?」
というお問い合わせをいただくことがありました。

このご希望自体を否定したいわけではありません。
ただ、その時点で施術の目的が、
『身体を整えること』よりも、『強い刺激を受けること』に向いている
場合があります。

当院では、強さそのものを売りにしていません。
そのため、最初から「とにかく強く押してほしい」というご希望には、方針が合わないことがあります。

これは冷たくしたいからではなく、来店後のミスマッチを防ぎ、お互いにとって良い施術時間にするためです。

当院が大切にしているのは、
「どれだけ強く押せるか」ではなく、
「その方の身体にとって本当に必要な刺激を選べているか」です。

当院が大切にしているのは、強さではなく分析と組み立てです

当院では、強圧の代わりに何もしていないわけではありません。
むしろ、強さよりも分析と組み立てを重視しています。

具体的には、

  • 姿勢分析
  • 動作分析
  • 代償動作の確認
  • 関連部位のチェック
  • 身体全体のつながりを見ながらの施術
  • 必要な箇所への適切な刺激

こうしたことを大切にしています。

つらい場所だけを見るのではなく、
なぜそこに負担が集まっているのか
を考える。
これが、当院の施術の基本です。

当院が目指しているのは「強く押されて楽になること」ではなく「整って楽になること」です

私が目指しているのは、強く押された満足感ではありません。

目指しているのは、
身体が整うことで楽になることです。

たとえば、

  • 可動域が良くなる
  • 力が抜けやすくなる
  • 呼吸がしやすくなる
  • 動いたときの違和感が減る
  • 戻りにくい身体を目指す

こうした変化を大切にしています。

もちろん、生活環境や仕事の負担が大きければ戻りは出ます。
そのため、施術だけですべてが解決するとは考えていません。
必要に応じてセルフケアも取り入れながら、より良い状態を保ちやすい身体を目指していくことが大切だと考えています。

まとめ

強く押されると、その場の満足感は得やすいです。
ですが、強いことと、身体にとって良いことは同じではありません。

施術で大切なのは、
「どれだけ強く押したか」ではなく、
『その方の身体にとって本当に必要な刺激を選べたか』です。

当院ではこれからも、お客様の身体を守りながら、強さではなく適切さを大切にして施術していきたいと考えています。