
整体を受けるとき、
「どこがつらいですか?」
「いつからですか?」
「どうすると痛みますか?」
と聞かれることがあると思います。
これらの質問は、ただ形式的に聞いているわけではありません。
身体の状態を安全に確認し、どこに負担が集まっているのか、どのように施術を進めるとよいのかを考えるために大切な情報です。
当院では、カウンセリングだけで施術内容を決めるのではなく、姿勢や動作、筋肉の硬さなども確認しながら施術を進めています。
ただ、その前段階として、お客様から教えていただく情報があると、施術の見立てがしやすくなります。
今回は、整体を受ける前やカウンセリング時に伝えていただけると助かることをまとめます。
なお、強い施術に対する当院の考え方については、別記事「強い施術が合う人・合わない人」でも詳しくまとめています。
いつからつらいのか
まず知りたいのは、つらさがいつからあるのかです。
たとえば、
- つい先ほどから
- 数日前から
- 数週間前から
- 先月から
- 数か月前から
- 数年前から
では、身体の見方が変わります。
よく「ずっと前から痛い」「ずっとつらい」と表現されることがあります。
もちろん、その感覚自体は大切です。
ただ、施術する側からすると、「ずっと」が数日前を指すのか、数か月前なのか、数年前なのかで判断が変わります。
急性の痛みなのか、慢性的に続いている不調なのかを確認するためにも、できる範囲で具体的な期間を教えていただけると助かります。
どこがつらいのか
次に大切なのは、どこがつらいのかです。
たとえば「肩こり」と言っても、
- 左右両方なのか
- 右だけ、左だけなのか
- 首に近いのか
- 肩甲骨まわりなのか
- 肩関節の動きで痛むのか
によって見方が変わります。
「腰が痛い」という場合でも、真ん中なのか、左右どちらかに偏っているのか、お尻のほうまでつらいのかで確認するポイントが変わります。
大まかな表現でも大丈夫ですが、可能であれば「このあたり」と場所を示していただけると、身体の状態を確認しやすくなります。
どうするとつらいのか
痛みやつらさは、どのような場面で出るかによって考えるポイントが変わります。
たとえば、
- 動くと痛い
- 動かなくても痛い
- 立っているとつらい
- 歩くとつらい
- 横になるとつらい
- 座っているとつらい
- 腕を上げると痛い
- 前にかがむと痛い
- 反らすと痛い
などです。
肩の痛みでも、正面から腕を上げると痛いのか、横から上げると痛いのかで確認するポイントが変わることがあります。
腰痛でも、前にかがむと痛いのか、反らすと痛いのか、座っているとつらいのかで、身体の見方は変わります。
「どうするとつらいか」は、動作分析を行ううえでとても大切な情報です。
何をすると楽になるのか
つらくなる条件だけでなく、楽になる条件も大切です。
たとえば、
- 動いていると楽
- じっとしていると楽
- 寝ていると楽
- 入浴後に楽になる
- ストレッチをすると楽になる
- 温めると楽になる
- 休むと楽になる
などです。
入浴後に楽になる場合は、筋肉の緊張や血流の影響を考える材料になることがあります。
ストレッチ後に楽になる場合も、どの筋肉や動きが関係しているかを考えるヒントになります。
もちろん、これだけで原因を断定するわけではありません。
ただ、「何をするとつらいか」と「何をすると楽か」の両方がわかると、身体の状態を考えやすくなります。
過去のケガや手術について
過去のケガや手術も、できる範囲で教えていただけると助かります。
お客様ご自身では関係ないと思っている過去のケガが、現在の身体の使い方や負担に影響していることがあります。
また、安全面を考えるうえでも大切です。
たとえば、
- 骨折や捻挫の経験
- 手術歴
- 半月板や軟骨の問題
- 椎間板の問題
- 腱板断裂などの既往
- 関節の変形を指摘されたこと
などがあれば、施術時に配慮する必要があります。
整体で、減ってしまった半月板や椎間板、断裂した腱板そのものを再生させることはできません。
ただ、周囲の筋肉や関節への負担を減らすことで、動きやすさやつらさの軽減を目指せる場合があります。
できることと、できないことを分けて考えるためにも、過去のケガや手術の情報は大切です。
病院での診断や指摘されたこと
病院で診断を受けている場合や、検査で指摘されたことがある場合も教えていただけると助かります。
これは、リスクを避けるためにも大切です。
たとえば、
- 骨粗鬆症
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 変形性関節症
- 半月板損傷
- 腱板損傷
- 医師から運動や施術について注意を受けていること
などがある場合、施術の刺激量や体勢に配慮する必要があります。
また、食いしばりや歯ぎしり、歯がすり減っているなどの情報も、首や肩、頭まわりの緊張を考えるうえで参考になることがあります。
病院での診断は、整体でできることを絞り込み、安全に施術するための大切な情報です。
普段の姿勢や日常で多い動き
施術では、つらい場所だけでなく、普段どのように身体を使っているかも大切にしています。
特に、日常で頻度の高い姿勢や動きは、身体の負担につながりやすいです。
たとえば、
- デスクワークが多い
- 長時間運転する
- 立ちっぱなしが多い
- 前かがみ作業が多い
- 腕をよく使う
- 子どもを抱っこすることが多い
- 介護や看護で身体を支える動作が多い
などです。
ここで知りたいのは、職業名そのものではありません。
知りたいのは、普段どんな姿勢や動作が多いのかです。
仕事の内容を細かく話したくない方もいらっしゃると思います。
その場合は、職業名ではなく、
「座っている時間が長いです」
「前かがみが多いです」
「腕を上げる作業が多いです」
「立っている時間が長いです」
という程度でも大丈夫です。
長時間座っている方であれば、お尻まわりや股関節、ふくらはぎやすねの筋肉に負担がかかっていることがあります。
パソコン作業が多い方であれば、肩が前に入りやすく、頭が前に出る姿勢になっていることもあります。
日常の姿勢や動作は、身体の状態を考える大きな手がかりになります。
睡眠状態について
睡眠状態も、身体の回復や施術中の配慮を考えるうえで大切です。
たとえば、
- 睡眠時間が短い
- 眠りが浅い
- 寝返りが少ない
- 仰向けで寝ると腰がつらい
- 横向きでしか寝られない
- うつ伏せで寝ることが多い
- 夜中に痛みで目が覚める
- 育児や授乳で睡眠が分断されている
などです。
仰向けで寝ていて腰がつらい場合は、反り腰傾向や骨盤の傾きなどを考える材料になることがあります。
また、睡眠時間がかなり短い場合は、身体の回復時間が十分に取れていない可能性も考えます。
眠りが浅い方や疲労が強い方には、施術中の声かけや刺激量を配慮することもあります。
施術中に必要な確認は行いますが、身体が休まりやすいように、言葉かけを最小限にすることもあります。
以前受けた施術で良かったこと・苦手だったこと
以前に受けた施術で、良かったことや苦手だったことがあれば教えていただけると参考になります。
ただし、以前受けた施術をそのまま再現するためではありません。
施術者によって考え方や手技は異なるため、他店の施術を完全に同じように再現することはできません。
それでも、
- 強すぎてつらかった
- 弱すぎて物足りなかった
- ボキボキ鳴らす施術が苦手だった
- 施術後にだるさが強く出た
- 施術中の会話が多すぎて疲れた
- 身体の状態をあまり確認されなかった
- 揉み返しが出たが配慮されなかった
などの情報は、とても参考になります。
前回の施術後にだるさが強かった場合は、刺激量や施術内容を調整する大切な情報になります。
反対に、「こういう確認をしてもらえると安心だった」「このくらいの刺激がちょうどよかった」という情報も助かります。
運動やスポーツ歴、現在のケアについて
運動やスポーツの状況も、身体の状態を考えるうえで参考になります。
運動不足が不調につながることもありますが、運動量が多すぎたり、同じ動きを繰り返しすぎたりすることで身体を痛めている場合もあります。
たとえば、
- いま運動しているか
- 以前スポーツをしていたか
- 同じ動作を繰り返していないか
- 筋トレやランニングをしているか
- 運動後にどこがつらくなるか
などです。
また、現在ご自身で行っているケアについても教えていただけると助かります。
- ストレッチ
- 筋トレ
- ウォーキング
- ヨガ
- ピラティス
- テニスボールやストレッチポールでのケア
- 整形外科や整骨院、鍼灸院などへの通院
などです。
すでに行っているケアが良い方向に働いていることもあれば、やり方や量が合っていない場合もあります。
そのため、現在行っているケアも含めて確認できると、施術後の提案もしやすくなります。
根本から整えたいのか、つらい場所を中心にしたいのか
施術を受ける目的も大切です。
当院としては、つらい場所だけでなく原因も含めて見ていくことを大切にしています。
ただし、お客様ご本人の希望とずれてしまうと、施術後の満足度にも影響します。
たとえば、
- 根本から整えていきたい
- 今日はとにかくつらい場所を中心にしてほしい
- リラックスもしたい
- 動きやすくなりたい
- セルフケアも知りたい
- あまり強い刺激は避けたい
など、希望があれば教えてください。
もちろん、つらい場所を中心にしてほしい場合でも、身体の状態は確認します。
姿勢や動作を確認したうえで、必要な範囲で局所にもアプローチしながら進めます。
ニーズのズレを減らすためにも、「今日はどうなりたいか」を共有していただけると助かります。
「全身で」「おまかせで」も大丈夫ですが、状態確認は行います
「とりあえず全身でお願いします」
「おまかせでお願いします」
と言っていただくこともあります。
もちろん、そのようなご希望でも施術は可能です。
信頼して任せてくださっているという意味でも、ありがたいことだと思っています。
ただし当院では、全身を同じ割合で総当たりに施術するというより、姿勢や動作、筋肉の硬さなどを確認したうえで、負担が強い部分や可動域制限がある部分を重点的に見ていきます。
全身の巡りとして施術する部分もありますが、どこに時間を使うか、どこを重点的にみるかは身体の状態によって変わります。
その方が、身体への負担を減らしながら、必要な部分に施術を行いやすいと考えているからです。
具体的に伝えていただけると助かる例
最後に、実際に伝えていただけると助かる表現をいくつか挙げます。
たとえば、
- 仰向けで寝ていると腰がつらい
- 座っていると腰が重くなる
- 立っていると腰がつらくなる
- 肩を正面から上げると痛い
- 肩を横から上げると痛い
- 入浴後は少し楽になる
- 朝起きたときが一番つらい
- 仕事の後半になるとつらくなる
- 前回の施術後にだるさが出た
- 強い刺激だと力が入ってしまう
- ボキボキする施術は苦手
このような情報があると、身体の状態を考える手がかりになります。
もちろん、うまく説明できなくても大丈夫です。
来院時に一緒に確認しながら整理していきます。
まとめ
整体では、つらい場所を聞いてすぐに施術するだけではなく、身体の状態を確認しながら進めることが大切だと考えています。
そのため、
- いつからつらいのか
- どこがつらいのか
- どうするとつらいのか
- 何をすると楽になるのか
- 過去のケガや手術
- 病院での診断
- 普段の姿勢や生活動作
- 睡眠状態
- 以前の施術で良かったこと・苦手だったこと
- 運動やセルフケアの状況
- 施術に求めていること
を教えていただけると、施術の見立てがしやすくなります。
もちろん、すべてを完璧に説明する必要はありません。
わかる範囲で大丈夫です。
当院では、お話を伺ったうえで、姿勢や動作、筋肉の状態を確認しながら、その方に合った施術を考えていきます。
身体の状態を確認しながら、安全に無理なく整えていきたい方は、お気軽にご相談ください。























