
「肩甲骨まわりがいつも突っ張る」「背中が固まって呼吸が浅い」
そんな方は、**肩甲骨が内側に寄りすぎている(内転位)**かもしれません。
猫背とは逆に、背筋を張りすぎたり、胸を張る姿勢を意識しすぎる人に多いこのタイプ。
一見「姿勢が良いように見える」のですが、実は背中の筋肉が常に緊張していて疲労しやすい状態です。
肩甲骨の“内転”とは?
肩甲骨が背骨(棘突起)方向に引き寄せられた状態を内転といいます。
通常、左右の肩甲骨は背骨から約6cmほど離れていますが、内転位ではこの距離が狭まり、背中の中心に寄りすぎています。
📍 正常:内縁~棘突起 約6cm前後
📍 内転位:4〜5cm以下で寄りすぎ、背中中央が盛り上がるように見える
内転が起こる主な原因
① 背中を「反らしすぎる」姿勢意識
「胸を張って姿勢を良くしよう」と無理に肩を後ろに引くことで、肩甲骨が過度に内側へ。
特に男性やスポーツ経験者に多く見られます。
② 菱形筋・僧帽筋中部線維の短縮
肩甲骨を内側に引き寄せる筋肉(菱形筋・僧帽筋中部線維)が固まると、肩甲骨が常に寄った状態になります。
③ 胸郭の硬さ・呼吸の浅さ
胸郭が動かず呼吸が浅いと、胸を広げるたびに背中を引き寄せる動きが強調され、結果として内転が固定化されやすくなります。
内転によって起こる不調
背中のハリ・常に張っている感じ
呼吸の浅さ、胸が開かない感覚
肩甲骨の動きが小さく、肩が上げにくい
背中中央の筋肉痛やコリ
内転位では背中の筋肉が常に“収縮したまま”の状態。
血流が滞りやすく、慢性的なこりや違和感を感じやすくなります。
セルフチェック法
鏡の前で背中を撮影(または人に撮ってもらう)
肩甲骨の内縁と背骨の距離を左右で比べる
背中の真ん中に筋肉の盛り上がりが見える場合 → 内転傾向
また、壁に背中をつけて立ち、
肩甲骨が強く壁に押しつくようなら「内転固定」気味です。
改善のポイントとストレッチ
① 背中の力を抜く意識
姿勢を「正そう」と思うと、背中を反らせすぎてしまう人が多いです。
骨盤を立て、自然に背筋が伸びる範囲で十分。
② 菱形筋のリリース
両腕を前に組んで、背中を丸めるように前方へ伸ばします。
肩甲骨の間が開くように呼吸を意識。
→ 15〜20秒×3セット
③ 肩甲骨の外転エクササイズ
四つ這い姿勢で、背中を少し丸めながら肩甲骨を外に開く意識を持つ。
猫の伸びポーズ(キャットポーズ)が効果的。
【まとめ】
肩甲骨の内転は、「良い姿勢を保とう」とする真面目な人ほど起こりやすい傾向があります。
背中の筋肉が頑張りすぎることで、かえってこりや疲れを生むのです。
無理に引き寄せるのではなく、自然に動く肩甲骨を取り戻すことが大切。
日常の中で「背中を力ませない」感覚を身につけることが、姿勢改善の第一歩です。



















