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腕が上がらないのは「肩甲骨が下がりすぎ」だから?『下方回旋』の原因と自分でできるセルフケア

腕が上がらないのは「肩甲骨が下がりすぎ」だから?『下方回旋』の原因と自分でできるセルフケア

「最近、腕がスムーズに上がらない」
「腕を横から上げると、途中で重さを感じる」

このような場合、肩そのものだけでなく、土台になっている肩甲骨の動きが関係していることがあります。

その一つが、今回ご紹介する「肩甲骨の下方回旋(かほうかいせん)」です。

腕を高く上げるとき、肩甲骨は腕と一緒に上へ回るように動きます(上方回旋)。肩甲骨が下向きに傾いたまま動きにくくなっていると、腕を上げる動きがスムーズにいかないことがあります。

この記事では、下方回旋とはどんな状態か、どんな筋肉が関係しているか、自分でできるセルフケアを紹介します。

そもそも肩甲骨の“下方回旋”とは?

簡単に言うと、肩甲骨が背骨側に寄り、下向きに傾いた状態のことです。

肩甲骨の下の角(下角)が、内側(背骨側)に入り込むように傾いて見えるのが特徴です。

肩甲骨の正常な位置と下方回旋の比較イラスト

この状態で腕を上げようとすると、肩甲骨がうまくついてこず、途中で腕が上げにくく感じることがあります。

下方回旋に関係しやすい4つのこと

肩甲骨は、いくつもの筋肉に引っ張られて位置が決まっています。「引っ張る力が強すぎる筋肉」と「うまく働いていない筋肉」があると、バランスが崩れやすくなります。

① 大菱形筋(だいりょうけいきん)が硬くなっている

大菱形筋は、背骨と肩甲骨をつなぐ筋肉です。ここが硬くなると、肩甲骨を内側・下方向へ引っ張りやすくなります。

背骨と肩甲骨をつなぐ大菱形筋のイラスト

② 前鋸筋(ぜんきょきん)がうまく働いていない

脇の下にある前鋸筋は、肩甲骨を外へ・上へと動かす役割があります。ここがうまく働かないと、大菱形筋の引っ張る力が勝ちやすくなります。

脇の下にある前鋸筋のイラスト

③ 巻き肩・猫背の姿勢

デスクワークなどで背中が丸まった姿勢が続くと、肩甲骨が前に傾いた位置で固まりやすくなります。この姿勢のままでは、腕を上げる動きがスムーズにいきにくくなります。

デスクワークで背中が丸まった姿勢のイラスト

④ 背中を動かす機会が少ない

背中をあまり動かさない生活が続くと、前鋸筋は使われにくくなり、姿勢を保とうとする背中の筋肉ばかりが緊張しやすくなります。

背中を動かさない生活と筋肉の緊張のイラスト

こんなときに気づきやすいです

  • 腕を横から上げると、肩の高さあたりから上げにくい
  • 腕を上げると、肩の奥に引っかかりを感じる
  • 肩甲骨の内側に、詰まったような重さがある
  • 上腕(力こぶのあたり)の前側がつらい

このような場合は、まず医療機関へご相談ください

次のような場合は、セルフケアや整体よりも先に、整形外科などの医療機関へご相談ください。

  • 転倒やケガのあとから、腕が上がらなくなった
  • 痛みが強く、夜も眠れない
  • 腕や手にしびれがある、または力が入りにくい
  • 痛みや動かしにくさが、だんだん強くなっている

鏡で見てみましょう

鏡の前で楽に立ち、ご自身の肩や背中を見てみてください。

  1. 肩甲骨の内側のラインが、まっすぐ縦、または下に向かって内側に寄っている
  2. 肩甲骨の下の角が、背骨側に入り込んでいるように見える
  3. 腕を横から上げたとき、肩が一緒にすくんでしまう
  4. バンザイをすると、肩が前に出てしまう

当てはまるものが多い場合は、肩甲骨の動きが関係しているかもしれません。ただし、見た目だけでは判断できないので、目安として考えてください。

今日からできる!セルフケアのストレッチ&エクササイズ

ポイントは、硬くなっている筋肉(大菱形筋)をゆるめて、うまく働いていない筋肉(前鋸筋)を動かすことです。2つをセットで行うのがおすすめです。

どれも、痛みの出ない範囲で行ってください。痛みが強くなる場合は、無理に続けないでください。

① 【ゆるめる】大菱形筋の背中丸めストレッチ

引っ張りすぎている背中の筋肉を伸ばします。

  1. 両手を胸の前で組み、大きなボールを抱えるように肘を外へ張ります。
  2. 息を吐きながら背中を丸め、組んだ手を遠くへ突き出します。
  3. 肩甲骨と肩甲骨の間が広がるのを意識して20秒キープ。(3セット)

両手を前に組んで背中を丸めるストレッチのイラスト

② 【動かす】前鋸筋の壁プッシュ

脇の下の筋肉を使う感覚をつかみます。

  1. 壁に向かって立ち、両手を肩の高さでつきます。
  2. 肘を伸ばしたまま、手で壁を押し、背中を後ろへふくらませます(肩甲骨を外へ広げるイメージ)。
  3. その状態で、ゆっくり深呼吸をくり返します。

壁に手をついて押す前鋸筋のエクササイズのイラスト

③ 【動きを出す】肩甲骨回し

固まった肩甲骨を、大きく動かします。

  • 肩先に手を置き、肘で大きな円を描くように「前回し・後ろ回し」を行います。特に「下から上」へ大きく動かすことを意識しましょう。

肩先に手を置いて肘で円を描く肩甲骨回しのイラスト

まとめ

腕が上がりにくいときは、腕や肩だけでなく、土台になっている肩甲骨の位置や動きが関係していることがあります。

まずは、ご紹介したストレッチを、お仕事の合間やお風呂上がりに試してみてください。

当院では、肩の動かしにくさがある場合も、肩だけでなく肩甲骨や背中、全身の筋肉の緊張を見ながら施術しています。「自分ではうまく動かせない」「なかなか楽にならない」という方は、肩の痛み・動かしにくさ(四十肩・五十肩)のページもご覧ください。

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