
整体を受けに行ったとき、
「つらい場所を伝えたら、すぐ施術に入るもの」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、つらい場所を確認することは大切です。
ただ当院では、カウンセリングのあとにすぐ施術へ入るのではなく、姿勢や動きも確認してから施術を行っています。
初めて整体を受ける方にとっては、
「何をされるのかわからない」
「いきなり強く施術されないか不安」
と感じることもあると思います。
その不安を減らすためにも、当院ではお身体の状態を確認し、できるだけ説明しながら施術を進めることを大切にしています。
いきなり施術をしないのは、時間をかけたいからではありません。
安全に施術を進めるため、そしてつらい場所だけでなく、負担が集まっている原因を考えるためです。
今回は、当院がなぜいきなり施術を始めないのか、その理由をお伝えします。
整体で「すぐ施術しない」のには理由があります
肩こりや腰痛などで来院された場合、
「肩がつらいなら肩を揉む」
「腰が痛いなら腰を施術する」
という流れをイメージされる方も多いと思います。
もちろん、つらい場所への施術が必要なこともあります。
ただ、つらい場所だけが原因とは限りません。
たとえば肩がつらい場合でも、首、胸まわり、肩甲骨、骨盤、下半身の影響が関係していることがあります。
腰が痛い場合でも、股関節、太もも、ふくらはぎ、足部などが関係していることもあります。
そのため当院では、まず身体の状態を確認し、どこに負担が集まっているのかを考えてから施術に入ります。
なお、施術前に伝えていただけると助かる情報については、別記事「整体を受ける前に伝えてほしいこと」でも詳しくまとめています。
一番大切なのは、安全に施術することです
当院がいきなり施術しない一番の理由は、安全に施術するためです。
お身体の状態は人によって違います。
- 急に痛くなったのか
- 何年も続いている不調なのか
- 過去にケガや手術があるのか
- 病院で診断を受けているのか
- 強い刺激が苦手なのか
- どの体勢がつらいのか
こうした情報によって、施術の進め方は変わります。
状態を確認せずに施術を始めてしまうと、必要以上に刺激を入れてしまったり、本来避けたほうがよい動きや体勢を取ってしまう可能性があります。
そのため、まずはカウンセリングや姿勢・動作の確認を行い、安全に施術できる範囲を見極めることを大切にしています。
つらい場所だけが原因とは限りません
お客様としては、当然「今つらい場所」を一番どうにかしたいと思います。
肩がつらければ肩。
腰がつらければ腰。
首がつらければ首。
そう感じるのは自然なことです。
ただ、身体は一部分だけで動いているわけではありません。
姿勢や日常の動き、仕事中の姿勢、筋肉の緊張、関節の動きなどが組み合わさって、特定の場所に負担が集まることがあります。
たとえば、背中や肩がつらい方でも、長時間のデスクワークで頭が前に出ていたり、肩が内側に入りやすくなっていたり、骨盤や股関節まわりの動きが少なくなっていることがあります。
この場合、つらい場所だけを施術しても、その場は楽になるかもしれません。
しかし、負担が集まる理由が残ったままだと、また同じ場所がつらくなりやすいと考えています。
そのため当院では、つらい場所に必要な範囲で触れながらも、原因側も含めて確認していきます。
整体院の選び方や、もみほぐし・整体・整骨院の違いについては、別記事「もみほぐし・整体・整骨院の違い」でもまとめています。
カウンセリングでは生活背景も確認します
カウンセリングでは、痛い場所だけでなく、普段どのような姿勢や動作が多いのかも確認します。
たとえば、
- 座っている時間が長い
- 立っている時間が長い
- パソコン作業が多い
- 運転時間が長い
- 前かがみ作業が多い
- 育児や介護で身体を支える動作が多い
- 同じ姿勢が続くことが多い
などです。
職業名そのものを詳しく知りたいというより、普段どのような姿勢や動作が多いのかを知りたいと考えています。
長時間のデスクワークであれば、頭が前に出やすい、肩が内側に入りやすい、股関節や体幹の動きが少なくなりやすいなど、いくつかの負担を予測できます。
もちろん、それだけで決めつけるわけではありません。
生活背景から予測し、実際に姿勢や動きを確認しながら判断していきます。
姿勢を見ることで、負担がかかりやすい場所を考えます
姿勢分析では、立った状態で身体全体のバランスを確認します。
たとえば、
- 頭の位置
- 肩の高さ
- 肩甲骨の位置
- 胸郭の向き
- 骨盤の傾きや左右差
- 膝の状態
- 足部のアーチ
などを見ています。
姿勢を見ることで、どこに負担が集まりやすいのか、どの動きで制限が出やすいのかを予測しやすくなります。
ただし、姿勢分析だけで原因を決めつけるわけではありません。
姿勢はあくまで予測の材料です。
当院では、姿勢分析で予測し、動作分析で確認することを大切にしています。
実際に動いていただき、痛みや動きにくさを確認します
動作分析では、首・肩・体幹・股関節などを実際に動かしていただき、どの動きで痛みや制限が出るかを確認します。
難しい検査をしているというより、
「どの動きでつらさが出るのか」
「どの方向が動きにくいのか」
を一緒に確認しているイメージです。
立った状態では、
- 首を前後に動かす
- 首を横に倒す
- 首を左右に回す
- 肩を上げる
- 腕を横から上げる
- 体幹を前に倒す
- 体幹を反らす
- 体幹を横に倒す
- 体幹をひねる
などを確認します。
五十肩のような肩関節の痛みがある場合は、髪を結ぶ動きや、手を背中に回す動きなど、日常動作に近い動きも確認します。
このとき、単に「動くかどうか」だけを見ているわけではありません。
たとえば、
- 肩を上げるときに肘を曲げていないか
- 前屈するときに膝を曲げていないか
- 首や体幹を横に倒すときに、回旋が混ざっていないか
- 体幹を反らすときに、腰だけで無理に反っていないか
など、代償動作も確認します。
代償動作とは、本来の動きがしにくいときに、別の場所を使って動きを補うことです。
代償があると、実際にどこが動きにくいのか、どこに負担がかかっているのかを考える手がかりになります。
仰向けやうつ伏せでも確認する理由
動作の確認は、立った状態だけではありません。
仰向けでも首や肩、股関節、足首などの動きを確認することがあります。
立っている状態では、重力や姿勢を保つための筋肉の影響が入ります。
一方で、仰向けではその影響が少なくなるため、首や肩そのものの動き、腕や手指の影響、下半身からの影響などを考えやすくなります。
たとえば、立った状態で肩が上がりにくい場合でも、仰向けで同じように上がりにくいのかを確認します。
仰向けでも制限が強い場合は、肩や首そのもの、腕や手指の影響を考える材料になります。
反対に、仰向けでは動きやすい場合は、姿勢や体幹、下半身の影響も考えていきます。
また、うつ伏せでは肩を後ろに引く動きや、膝を曲げたときの太もも前側の硬さ、足首の動きなどを確認することがあります。
これらを組み合わせて、姿勢分析で予測したことと、実際の動きが合っているかを確認しています。
「全部つらい」ときほど確認が大切です
カウンセリングでは、
「全体的につらい」
「全部痛い」
とお話しされる方もいらっしゃいます。
その感覚は大切です。
実際に、全身に疲労感や重だるさが出ていることもあります。
ただ、施術する側がそのまま「全部同じようにつらい」と受け取ってしまうと、どこを重点的に見ればよいのかがぼやけてしまいます。
実際に動きを確認すると、
- 右と左で違いがある
- 前に倒す動きと反らす動きで差がある
- 首は動くが肩で制限がある
- 腰より股関節の動きが影響している
など、細かい違いが見えてくることがあります。
そのため、「全部つらい」と感じるときほど、姿勢や動きを確認することが大切だと考えています。
動けるから問題ない、とは限りません
関節の可動域がもともと広い方の場合、痛みがあっても動けてしまうことがあります。
この場合、動くかどうかだけを見ると、問題がわかりにくくなることがあります。
そのため当院では、動いたかどうかだけでなく、
- 痛みの出方
- 左右差
- 筋肉の硬さ
- 力の入り方
- 動きの軽さ
- 代償動作の有無
などもあわせて確認します。
可動域があっても、筋肉が強く緊張している場合や、動きの中で無理をしている場合があります。
そのような違いを見落とさないためにも、施術前の確認を大切にしています。
施術前後で変化を確認します
施術後は、施術前と比べて身体がどう変わったかを確認します。
確認するのは、ただ「楽になりましたか?」だけではありません。
たとえば、
- 可動域が変わったか
- 痛みの程度が軽くなったか
- 動かしたときの軽さがあるか
- 動いていない状態でも身体が軽く感じるか
- 呼吸がしやすくなったか
などを確認します。
施術前に動きを確認しておくことで、施術後に「何が変わったのか」を一緒に確認しやすくなります。
これは、感覚だけで判断するのではなく、動きや痛みの変化も見ながら施術を進めるために大切です。
この確認によって、今回の施術でどこに変化が出たのか、次回はどこを見ていくべきかを考えやすくなります。
初回では状態説明とセルフケアもお伝えします
初回では、施術で確認した内容をもとに、できる範囲でお身体の状態を説明します。
主にお伝えするのは、
- 負担がかかっていたと考えられる部位
- 今回行った施術内容
- 生活面で気をつけたほうがよいこと
- 長時間同じ姿勢を避けるなどの注意点
- 必要に応じたセルフケア
- 次回来店の目安
などです。
セルフケアは、無理に難しいことをお願いするのではなく、続けやすいものを提案するようにしています。
また、次回来店の目安も状態によって変わります。
たとえば、ぎっくり腰のように痛みが強い場合は、最初の間隔を短めにしたほうがよいことがあります。
一方で、メンテナンス目的の場合は、状態に応じて隔週や月1回程度を目安にご提案することもあります。
ただし、必要な頻度はお身体の状態や生活環境によって変わります。
無理に一律で決めることはしていません。
強い刺激に対する当院の考え方については、別記事「強い施術が合う人・合わない人」でも詳しくまとめています。
まとめ
当院がいきなり施術に入らないのは、時間をかけたいからではありません。
一番大切なのは、安全に施術を進めることです。
そのうえで、つらい場所だけが原因とは限らないため、姿勢や動作を確認しながら、どこに負担が集まっているのかを考えています。
当院では、
- カウンセリングで生活背景を確認する
- 姿勢を見て、身体の負担の傾向を考える
- 実際に動いていただき、痛みや制限を確認する
- 施術前後で変化を比較する
- 状態説明とセルフケア提案を行う
という流れを大切にしています。
これは、施術を難しくするためではなく、安心して受けていただき、施術の意味をわかりやすくするためです。
「いきなり強く施術されるのは不安」
「自分の身体の状態を確認しながら受けたい」
という方は、お気軽にご相談ください。






















