
肩が痛い、腕を上げにくいというときに、肩ではなく脚や骨盤まわりから施術が始まると、「なぜ肩ではないのだろう」と疑問に感じる方もいると思います。
最初にお伝えしたいのは、当院が肩そのものを確認しないわけではないということです。肩の痛みが出る場所や動かせる範囲を確認したうえで、必要に応じて姿勢、体幹、骨盤、下半身の動きにも範囲を広げます。
下半身が肩の痛みの理由だと最初から決めているわけでも、すべての方に下半身から施術するわけでもありません。その日の状態と身体の反応を確かめ、どこから始めると無理が少ないかを考えています。
まず肩そのものを確認します
肩の痛みや動かしにくさがある場合、こりほぐし・整体 IKOI-憩-では、最初にお話を伺い、無理のない範囲で肩の状態を確認します。
たとえば、次のような点です。
- どの動きで痛みを感じるか
- 腕を前や横から、どこまで上げられるか
- 上げるときと下ろすときで感じ方が違うか
- 日常生活のどの場面で困っているか
- 肩以外に気になる場所があるか
痛みを我慢して大きく動かしていただくことはありません。現在できる範囲を確認し、その後の比較に使います。
肩だけに集中しないのはなぜ?
腕を上げる日常動作では、肩だけが単独で動いているわけではありません。肩甲骨や胸まわり、体幹の向き、立ち方なども一緒に変化します。
そこで当院では、肩を確認したあと、必要に応じて次のような点も見ていきます。
- 首や肩甲骨まわりの動き
- 胸まわりや体幹の動かしやすさ
- 立ったときの身体の支え方
- 骨盤や股関節、膝、足元の動き
- 左右への体重のかけ方
これらは、肩以外のどこかを一つの要因に決めるためではありません。姿勢や動きを変えたときに肩の動き方や感じ方も変わるかを確かめ、施術の優先順位を考えるためです。
下半身から施術を始めることがある理由
当院で肩を動かしにくい方の姿勢や全身の動きを確認していると、股関節や脚まわりへ施術したあとに、肩の動かしやすさや感じ方に変化が見られる場合があります。
そのような反応が確認できた場合は、肩だけへ刺激を重ねるより、下半身から施術を始めることがあります。施術後にもう一度肩の動きを確認し、変化があるか、別の場所も見た方がよいかを考えます。
反応がなければ、同じ考えに固執せず、確認する場所や方法を変えます。下半身から始めるのは決まった手順ではなく、その方の身体から得られた情報をもとにした選択肢の一つです。
アナトミートレインは見立ての一つです
当院では、筋肉や筋膜のつながりを考える際に、アナトミートレインの考え方も参考にしています。
これは、離れた場所同士のつながりを考えるための地図のようなものです。身体を見るための一つの考え方であり、痛みの理由を特定するためのものではありません。地図だけを見て「脚が肩の痛みを生んでいる」と決めることもできません。
筋膜の連続性については、身体の構造上のつながりを支持する研究がある一方で、そのつながりが個々の痛みや動きにどのような意味を持つかは、まだ十分に分かっていない部分があります。
そのため当院では、アナトミートレインだけで判断せず、お話、肩の状態、姿勢、動き、実際に施術したあとの反応を組み合わせて考えます。
当院での確認と施術の進め方
当院では、おおむね次のような流れで施術を組み立てます。
- 痛みが出る動きや生活場面について伺う
- 無理のない範囲で肩の動きを確認する
- 必要に応じて姿勢、体幹、骨盤、下半身の動きを確認する
- 優先したい場所から施術する
- 肩の動きや感じ方をもう一度確認する
- 反応に合わせて次の場所や方法を調整する
肩から始めることもあれば、首や肩甲骨まわり、体幹、下半身から始めることもあります。全員に同じ順序を当てはめるのではなく、その日の状態に合わせることを大切にしています。
関連ページとの役割の違い
肩こりがあり、首・肩甲骨・姿勢との関係を広く知りたい方は、肩こりは肩だけ揉めばよいのか?をご覧ください。
肩の痛みや動かしにくさについて、当院での確認方法や医療機関へ相談する目安を知りたい方は、肩の痛み・動かしにくさをご確認ください。
初回の確認から施術後までの全体像は、施術の流れで紹介しています。
まとめ
肩が痛い、動かしにくい場合でも、確認する場所は肩だけとは限りません。
当院では肩そのものを大切に確認したうえで、必要に応じて姿勢、体幹、骨盤、下半身まで範囲を広げます。下半身から施術を始める場合もありますが、それは下半身を一律の要因と考えているからではありません。
施術の前後で肩の動きや感じ方を比べ、その反応を次の判断に使います。痛い場所だけを追うのではなく、実際の身体の使い方を見ながら、その日の状態に合う進め方を組み立てます。






